アトラ・ハシス

マスター別ページ(鈴鹿)


マスターコメント

 みなさんお疲れ様でした、鈴鹿高丸です。
 リアクションが冬を抜けて春を迎えたころ、いつのまにか現実のほうがすっかり冬になってしまいました。
 原住民側のお話の結末は、本当に大きな視点から言えばまあ構想どおりではありました。
 ただ、その中身、また結果にいたるまでの流れというのは、色んな意味で想定外のことがたくさんありました。
 書き足りないこともありました。
 毎度のことなんですが、詰め込みすぎて語りきれなかったところもあります。
 そういった部分についてはショートストーリーにもしてみましたので、そちらもちらっと見ていただければ幸いです。
 そんなこんなで振り返りながら、つらつらと書き記してみようかと思います。


『オント・ナ・ウスタ』
 構想当初から、黒幕でした。
 惜しむらくは、結局謎の人間のまま終わってしまったことかな。
 ちょっと語らせるのに一回分、リアクションが足りなくなってしまいました。
 個別を見てもらうと分かるかもしれませんが、実はある回で一足先に黒幕だという情報をあるPCが掴んでいたのですが……この後トラブルでこの方が撤退ということに。
 これで一回分進行が遅れたきらいもあったのですが、ただまあ、オントは、終われて自由になれて、それはそれで幸せだったのかも…とも思っています。
 設定書ききれなかったので、ショートストーリーで少しだけ。

 過去話〜オント編〜  『追憶』

『シャナ・ア・クー』
 構想ではもう少し空元気具合が高くて、もっと諦めが入った夢見がちなばかりのキャラクターの予定でした。
 後は最初で社に関わってくれる人がいなければどうやって登場させよう、とちょっと悩んでもいましたが、ヴィーダが絡んでくれて正直助かりました笑
 いろんなPCが関わってくれて、だいぶ人間的に強くなっていったと思いますし、だからこそ儀式は乗り越えられたと思います。
 感情面で成長していく様も含めて、NPCの中で書いていて一番楽しい人物ではありました。


『セゥ・ア・クー』(名無し)
 名前の無い、感情も薄い、この登場人物に名前をつけてもらおう、というのがささやかなテーマの一つでもありました。
 本当は、序盤からもっと原住民の集落側で積極的に登場して、関わってもらいたいなと思っていたキャラクターだったんですが、登場のさせ方で失敗して、反省してます。
 ただなんとか名前もついて、こちらも変わっていくところが書けたので何とか間に合ったのかな、という印象です。


『アイリ・ア・クー』
 外見や表層上のイメージは最初に設定した通りで変わりはありませんでした。
 ただ当初はもう少し、論理や信念に生きるイメージも持っていったのですが、オントとの関係を突き詰めていくにあたり、かなり情に偏った人間になりました。
 結果的にはそれで良かったと思います。悲しい結果にはなってしまいましたが……
 彼女を無理矢理にでも奪い去る、くらいの男性PCがいたら、ひょっとしたら、違う結果になっていたかもしれないです。
 こちらもオントとの過去話は具体的にまで書けなかったので、イメージだけをショートストーリーで。
 実はこのショートストーリでの文体で書くのは結構好きです。これだと長いものは書けないのですけどね。

 過去話〜アイリ編〜 『心の鎖』

『カケイ・ア・ロウン』
 肉体的には強いし、頑なで無口なところが一見すると格好いいけど、実は母のために働く、というある意味マザコンな男という設定。
 ぶっちゃけちゃうと、そういう男でした。
 ただ、ケセラの立ち位置を決め切れなかったのに引きずられて、こちらも少し曖昧な印象になってしまいました。
 意外と人気がありました。行動のへたれっぷりが知られると愛想つかされるかなとも思っていたのですが。
 それでも精神的に成長しようとはしていたので、川岸マスターの言うとおり、最後も私が書き、そして生かしてやるべきだったかもしれません……。


『ケセラ・ア・ロウン』
 ア・クシャスへの恐怖と畏敬に取り憑かれた存在でした。
 ただちょっと、ゴネすぎたかもしれません。参加者に与える、事態改善のためのとっかかりが少なかったのかもと反省しています。
 死、という形でなかったにしろ、いずれ他のPC、NPCに舞台を譲り引き継ぐためのキャラクターではありましたが、足を引っ張りすぎだったのかも。
 

『ラトイ・オ・アーリ』
 難民側との交流において、障害となる、悪党ではないが「嫌なやつ」というキャラクターであっただけでした。
 本当に、それだけ。
 難民側との流れによってはそのまま埋もれてもいいかな、程度で実際そうなろうとしてはいたのですが、最後でちょっとだけ成長してきた雰囲気も。
 結局悪態をつきながらもみんなに使われてたりしてそうです。
 もうちょっと出してやればよかったかな。


『ラルバ・ケイジ』
 当初はもっと早くに難民側に返そうかなとも思ってましたが、セゥの出しかたを失敗したせいかずるずると。
 もう少し活躍もさせようかと思っていましたが、中盤以降はカケイが出張ってきてそれほど目立つ存在ではなくなってしまったかな?

『儀式/ア・クシャス』
 大雑把なエンディングパターンはいくつか。
 その中でも、まあうまくいったほうではあると思います。
 第5回のアクション次第では、本当に水没エンドも考えてはいました。
 そうならなくて良かったです。
 ただ、手がかりとなる情報の出し方は甘かったと反省しています。
 これは今回の私のシナリオ全体に言えることですね……。


『難民側とのことなど』
 思っている以上に、難民側からこちら側に来るというアクションが多くて川岸マスターとお互い苦労しました。
 しかも、交流面というよりは儀式面に関するアクションも多くて。
 目論見が甘かったということですが、まあ想定外のアクションがきて、意外な方向に転がっていくのもPBeMの醍醐味かなとは思います。
 ホームステイ案に対応したりと、大変ですがこちらも楽しく書けたかなとは。
 最後はこちらのオントの行動などに巻き込む形にもなって、川岸マスターには本当苦労をかけました。


 PBM、PBeMのマスター経験はこれが初めてではなかったのですが、充実した日々を送らせていただきました。
 それと同時に、もう少しうまくやれなかったのかな、と反省することもしきりです。
 もちろん上で書いているストーリー展開面での話でもですが、アクションに対する判定や、それに付随して、参加者さんとの判定に対する価値観の相違など。
 自分としての方針は変わりませんが、それでももうちょっとやりようがあったかな、と思うところはあります。
 私は基本的に、アクション全てを成功させようとは考えていません。
 より良いアクションだと判定したものについては大きく成功すべきですし、それをはっきりとするために失敗する行動もあると考えてます。
 また、失敗する、という結果は勝ち負けではないと思います。
 失敗したという結果もある意味楽しんでもらえて、踏まえて次回、それを何とかしてやるという形で考えてみるのもまた楽しいんじゃないかな、と。
 ただこういった意見を踏まえても、やっぱり、まだまだ改善すべきところもありました。
 また何か機会があったら、そのときは今回の経験を生かしてさらに良いものにしたいと思います。

 最後に一言。
 本当に、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
 どんな形にしろ、最終回まで終わった上に、こうしてファイナルまで作り。
 終わらせられたことに感慨を覚えています。
 ひとえに、皆様と、そして遅筆の私を叱咤激励してくれた川岸マスターのおかげです。
 私は年内は普通の社会人にもどって労働にいそしんでいますが、また年が明ければどこかで何かがしたくなってきてると思います。
 その時には、今と違う名前かもしれませんが。
 もし気づいたら、声でもかけていただければ至上の極みです。
 それでは。


ショートストーリー

『追憶』

『心の鎖』