川岸満里亜
「あなたは、正直リィムをどう思ってるの?」
「可愛いと思ってますよー。彼女の子供が早くみたいですねぇ」
レイニはホラロの答えに心底呆れた表情を見せる。
「あのねぇ……。そういう事を言われると、嫌悪感を覚えるものだけれど? あなた、リィムにこれ以上嫌われたいわけ?」
「ははははは、これ以上ないくらい嫌われてますから、問題ないですよー。
まあ……思うんだから仕方ないじゃないですか。リィムさんの子供は可愛いだろうなぁと。誰になんと言われても、自分でどうセーブしようとしても、幼い女の子を可愛いと思ってしまうものはどうすることもできませんよ。嘘をつけと仰るのですか? 正直な言葉より、嘘で塗り固めた言葉の方が嬉しいと? そうして好かれるべきだとあなたは仰いますか?」
「そうは言わないけどね……」
レイニがテーブルに2組、書類を出す。
「こっちは、惚れ薬のレシピ。もう一組は、リィムへの釣書。何れも良縁だと思うわ。この後、リィムをここに呼んで紹介するつもりなの。
この書類、どちらか片方だけあなたに、あげる」
挑むような視線で、レイニはホラロを見据える。
「さて……どうする?」
「あれ? ホラロさん、荷物をまとめて……どうされたんですか? 研究所移動になるのですか?」
リィム・フェスタスの問いに、ホラロ・エラリデンは、さわやかな顔で答えた。
「なあ〜に、ちょっと大掃除をしているだけですよ〜。ゴミが沢山出ましてねぇ。これが終ったら、惚れ薬ホラロオリジナル試作品第2弾を作ってさしあげますねー」
「ははははは……いりません(泣)」
おしまい☆